デッキ強化の快楽――魔法使いと黒猫のウィズ感想


 魔法使いと黒猫のウィズ(コロプラ)はデッキ強化ゲームである。これはパズル&ドラゴンズやモンスターストライクと比べれば分かりやすい。パズドラやモンストはパズルやアクションによるバトルが主体で、モンスターの収集は副次的だ。だが、黒猫のウィズはクイズゲームよりもカードを集め、デッキを強化する楽しみの方が大きい。これにはいくつか理由がある。

 第一に、カードイラストが美麗で、大きく表示される。カードの情報を見る時だけでなく、戦闘シーンにおいても攻撃の際にキャラクターが大きくなるイフェクトをかけていることからも、コロプラがイラストに力を注いでいることが分かる。
 第二に、強化の演出が気持ち良い。強化素材の魔導書を合成した際に、ギュルンギュルンと小気味良い音を立てながらHPと攻撃力がぐんぐん上がっていくのは快感だ。また、黒猫のウィズのカードはC→B→A→S→SSと進化していくのだが、その間にもB+といった段階があり、レベルが細かい。レベル上げのためには何度も進化させて一旦HPと攻撃力を落とす必要があるのだが、その度にまた強化してギュルギュルと気持よくHP、攻撃力を上げることができる。
 第三に、進化素材、強化素材が手に入りやすい。パズドラやモンストは進化素材を集めるのが大変だし、強化素材もパズドラは日に一回、モンストも二回くらいしか手に入らない。一方、黒猫のウィズは基本的な進化素材が五種類しかなくて集めやすいし、イベントクエストで手に入るカードは一連のクエストを攻略していけば進化素材が揃うことが多く、進化がさせやすい。また、強化素材も四時間に一回手に入る他、クエスト報酬でも良く出るなど気前よくもらえる。そのため、気持ち良くガンガン進化、強化ができる。

 そして第四に、宝石(クリスタル)があまり貰えない。え、それは欠点じゃないの、とお思いかも知れないが、そこが黒猫のウィズの面白い所なのだ。パズドラやモンストはえっ、こんなに気前よくくれたら誰も買わないんじゃない? と思うほどどかすか宝石をくれる。ヘビーユーザーにとっては良いことなのだろうが、私のように帰宅時にWifiスポットでやるようなユーザーからすると、あまりに気前が良すぎる。
 パズドラでは、ゴッドフェスというレアモンスターが出やすいイベントの際にたまった宝石を使ってガチャを回すとかなり良いモンスターが沢山貰える。ただ、毎日ログインしてガチャを回すだけで良いカードを得られるのに対して、プレイすると時間をかけた割に大した報酬が得られない。気前良い宝石の配布がプレイの意欲を削いでいるのだ。
 一方、黒猫のウィズはデッキの拡張も宝石一個で三枠と渋いし、時々しか宝石を貰えないのであまりレアガチャが引けない。とにかくレアガチャをガンガン引きたい人には全くおすすめできないゲームだ。だが、その分、低レベルのイベントクエストで時々かなり良いカードを得られたりと、プレイ意欲をかき立てる要素を上手く散りばめている。選択的にカードを強化し、不要なカードは売却して枠を開けたりと、頭を使ってデッキ構築をする必要があり、これが楽しい。

 その他にもウィズが可愛いとか、魔導杯というクイズ大会が楽しいとか、音楽が重厚だとか、ストーリーがあるとか、クイズの正答率から自分の常識度が分かるとか、好きな点は沢山ある。
 一箇所不満を述べるなら、コンティニューを勧めるとき、断ると本当に良いんですか?と聞いてくるのに、この間間違ってコンティニューを押してしまった時はあっという間に宝石を二つ巻き上げられてしまったことである。この守銭奴め!と思ったが考えてみれば巻き上げられた宝石も元々はコロプラから無料で貰ったものなので怒るのは筋違いなのであった。

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東雲製作所評論部(感想過去ログ)