ライトノベル作家は20万ヒットの壁を撃ちぬけない
作家別注目点調査をやっていて気づいたことがある。それはライトノベルのみを書いている作家のgoogleヒット数が軒並み20万ヒット以下であるのに対し、ライトノベルレーベル以外でも書いている越境作家はしばしば20万ヒット以上を叩き出すということだ。googleのヒット数は日と昼夜によってかなり変動するので、2007年7月某日の昼間に一斉に調査を行った。調査した27人中、10万ヒット以上のライトノベル作家22人の結果は以下の通りだ。(文中敬称略)
作家 | ヒット数 |
乙一 | 887000 |
谷川流 | 779000 |
西尾維新 | 704000 |
桜庭一樹 | 523000 |
有川浩 | 418000 |
小野不由美 | 382000 |
村山由佳 | 364000 |
冲方丁 | 321000 |
日日日 | 297000 |
米澤穂信 | 227000 |
榊一郎 | 226000 |
新井素子 | 203000 |
水野良 | 183000 |
賀東招二 | 175000 |
上遠野浩平 | 173000 |
橋本紡 | 148000 |
時雨沢恵一 | 140000 |
茅田砂胡 | 140000 |
秋田禎信 | 135000 |
古橋秀之 | 133000 |
高橋弥七郎 | 129000 |
秋山瑞人 | 108000 |
20万ヒット以上の12作家の内、越境作家でないのは谷川流と榊一郎だけだ(榊一郎はライトノベルかどうか微妙なレーベル(トクマノベルスEdg)や脚本の仕事もしているので、ライトノベルプロパーの作家かどうか微妙)。
この結果を見るに、ライトノベルに関する話題を扱うサイトが20万くらいに限られていて、それよりヒット数を伸ばすには、ライトノベルレーベル以外でも書いて、ライトノベルを扱わないサイトの管理人の目に止まらねばならないように見える。だが、事実はそう単純でない。
googleでは検索結果を最後のページまで見ていくと、『最も的確な結果を表示するために、上の***件と似たページは除外されています。』という表示が出て、最初に表示された検索数よりはかなり少ない件数が表示される。別の日に上記の仮説について検証しようと、数人の作家の検索結果を見ていった所、似たページを除外したヒット数に関して驚くべきことが判明した。
作家 | 総ヒット数 | 似たページを除外 |
村上春樹 | 1510000 | 578 |
谷川流 | 1070000 | 735 |
桜庭一樹 | 344000 | 540 |
時雨沢恵一 | 127000 | 563 |
浅井ラボ | 48100 | 680 |
似たページを除外したヒット数はあまり変わらず、総ヒット数に比例していない。つまり、数人調べた範囲ではgoogleヒット数の多い作家というのは似たページが多い作家ということなのだ。つまり同一サイト内に沢山の当該作家に関する頁があるってこと? つまり一般文芸の方が熱心な読者が多いということか。
ところが、事実はまたもやそう単純ではなかった。検索結果を見た所、東雲製作所の記事が全て似たページとして除外されていたのだ。つまりgoogleは結構ざっくりと「似たページ」を除外しているらしいということだ。ひょっとすると例えばはてな内やジオシティー内のマイナーなページはそれぞれ皆、「似たページ」扱いなのだろうか。謎は深まるばかりだ。
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