メディア毎支持率比較



『涼宮ハルヒの憂鬱』がアニメ化して一気にメジャーになったりするのを見ると、ライトノベルはマイナーメディアなんだなあということを痛感する。しかし、メディアの規模について、具体的数値をあげて比較したデータはあまりない。本当は各メディアの平均的売り上げを比較するのが良いのだろうが、そんなデータはなかなか得られないため、各メディアの売り上げ上位1,5,10位の作品を抜き出し、比較してみた。
表の支持者数はその作品の売り上げ(一巻あたり)である。それを母数(主に売れていた年代の日本の人口)で割ってその作品の支持率を算出した。(参議院全国区はその年の有権者数で割った)
データの出展は以下の通りである。データ作成者の方々、有難うございます。

映画 Wikipedia”歴代映画興行成績”
CDシングル Wikipedia”音楽CD・レコード売り上げ枚数”
ゲームソフト Wikipedia”ミリオンセラー”
漫画 Wikipedia”ベストセラー”漫画データベース
単行本 Wikipedia”ベストセラー”
辞典・参考書 Wikipedia”ベストセラー”
ライトノベル Wikipedia”ベストセラー” CAXの日記 - 補足:ラノベの発行部数
参議院全国区 Wikipedia”全国区”

(漫画とライトノベルのデータは最新情報ではなく、ある程度抜けがあると思います)

人口 我が国の推計人口

ジャンル タイトル 支持者数 発表年 母数(人) 支持率(%)
映画観客動員数1位 千と千尋の神隠し 23500000 2001 128000000 18.36
映画観客動員数5位 ハウルの動く城 15000000 2004 128000000 11.72
映画観客動員数10位 踊る大捜査線 THE MOVIE2 12600000 2003 128000000 9.84
CDシングル1位 およげ!たいやきくん 4547620 1975 112000000 4.06
CDシングル5位 君がいるだけで/愛してる 2895060 1992 126000000 2.30
CDシングル10位 LOVE LOVE LOVE 2488630 1995 126000000 1.98
ゲームソフト1位 スーパーマリオブラザーズ 6810000 1985 121000000 5.63
ゲームソフト5位 スーパーマリオランド 4180000 1989 121000000 3.45
ゲームソフト10位 ファイナルファンタジーVII 4000000 1997 126000000 3.17
漫画1位 ドラゴンボール 3000000 1984 126000000 2.38
漫画5位 ドラえもん 2220000 1974 121000000 1.83
漫画10位 花より男子 1260000 1992 126000000 1.00
単行本1位 星の王子さま 6000000 1953 89300000 6.72
単行本5位 道をひらく 4500000 1968 98300000 4.58
単行本10位 バカの壁 4190000 2003 128000000 3.27
辞典・参考書1位 英語基本単語集 17200000 1942 72000000 23.89
辞典・参考書5位 広辞苑 11000000 1955 112000000 9.82
辞典・参考書10位 ジーニアス英和辞典 8000000 1987 126000000 6.35
ライトノベル1位 十二国記 590000 1992 126000000 0.47
ライトノベル5位 銀河英雄伝説 345000 1982 121000000 0.29
ライトノベル10位 涼宮ハルヒの憂鬱 186000 2003 128000000 0.15
参議院全国区1位 石原慎太郎 3012552 1968 81258000 3.71
参議院全国区5位 鳩山威一郎 2005694 1980 66522000 3.02
参議院全国区10位 中山千夏 1619629 1980 66522000 2.43


*母数の人口は以下の値を用いた
1945年…72000000;1955年…89300000;1965年…98300000;1975年…112000000
1985年…121000000;1995年…126000000;2005年…128000000


視聴率データはリンク先でご覧下さい(禁無断転載のため)。
映画
アニメ

これらのデータを棒グラフにすると以下のようになる。

メディア比較図



まとめ
*テレビとその他のメディアの影響力は桁違いである。

*有料メディアの中では映画と辞典・参考書の支持率が高い。大作映画はテレビでも放映されるため、最も多くの人が見るソフトだと言える。 一方、広告宣伝を殆ど行っていない学習参考書がかなり売れているのは意外だった。制作費も辞典ほどはかからないだろうし、比較した中では最も利益率が高いジャンルなのではないだろうか。

*映画と辞典・参考書以外の有料メディアの支持率はどの媒体も五十歩百歩である。どんなベストセラーもクラスで一人くらいしか買っていない計算になる。どんなジャンルでもベストセラーはとりあえず買っとくか、という人が百万人くらいいるのかも知れない。 売れているという印象の強い漫画も、一巻あたりの売り上げはたいしたことはない。

*ライトノベルはどんなに売れた本でも日本人の200人に1人しか読んでいないマイナージャンルであり、こんなマニアックな内容では読者がいないんじゃ…といった心配は杞憂である(多分)。

*Wikipediaは統計データが充実している。



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