文学賞メッタ斬り! リターンズ 感想
重鎮にも果敢に斬りこむ豪快さで話題になった『文学賞メッタ斬り!』の続編、『文学賞メッタ斬り! リターンズ』(大森望・豊崎由美著、PARCO出版)が登場。
今回は「芥川賞、直木賞予想」をはじめとして、かつ芥川賞、直木賞を将来取りそうな作家を中心に取り上げていて、マイナーな賞をどんどん紹介していた前作の方が面白かった。既読の原稿が多かったのもある。第一回「文学賞メッタ斬り!」大賞はワールドカップ方式で小説を対戦させて選考しているが、もっと大勢で一人一冊を担当して討論とかしないと普通に選ぶのと変わらない気がする。
「三年分の選評、選考委員を斬る!」や島田雅彦さんがいじられた話、豊崎さんの予想を外れる方に変えさせて「よしよし」とか言ってる大森の腹黒さなどが面白かったし、400ページ近いのにずいずい読めるのもさすがである。
芥川賞、直木賞予想では二人とも選考にかなり不満を述べているが、受賞作がA〜Dの四段階評価でC以下なのは『介護入門』だけであり、盛り上げるために言っている部分が大きいのではないか。
何にしても、これだけ読んで作品が分かったような気になってしまうのは問題なので、芥川賞候補くらいはぼちぼち読んでみよう。
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