最近の東雲
横浜トリエンナーレは変だった
横浜トリエンナーレに行ってきた。横浜トリエンナーレとは、9/28から12/18まで横浜の山下埠頭でやっていた現代美術の祭典だ。(しかし終わって一ヶ月も立ってからレポを出すサイトって・・・)
当日はすごい寒波が押し寄せて、身をすくめながら会場へ向かう。入口からメイン会場までは海辺の道を歩いていくのだが、頭上に延々と無数の紅白縞の三角旗が連なっている。強風で旗が激しくたなびくさまを眺めていると、異界へと吸い込まれそうな心持がした。
メイン会場は二つの長い建物からなっていて、全部回るには丸一日かかる。入場料は千八百円だが、映画や遊園地と比べると、時間当たりの単価は安いと言えるだろう。
以下、面白かった作品について箇条書き。
ソイ・プロジェクト
畳一畳くらいの小部屋が連なっており、扉には進めるor行き止まりのマークが書いてある。コンパクトな迷路だ。途中、永遠に出られないのではないかという錯覚に陥る。すごく楽しい。
田添かおり氏
真っ暗な部屋の中にボタンのついた台があり、ボタンを押すと、ガラスの向こうにある跳び箱や体育マットに取り付けられたランプが点灯する。観光案内板と同じ仕組みなのだが、無意味な所が光るところがおかしい。さらに、体育倉庫に光が当てられているというシチュエーションが何となく隠微で好きだ。
THeゴッドパァーニャと愉快な仲間たち
芸術と武術の融合を掲げるパフォーマンス。インド風のエキゾチックな舞踏をする三人の美女の真ん中で、半裸の男性が武術の型を披露していたかと思うと、観客の参加を募り始めた。参加者はグローブを着用。グローブの先にインクをつけ、パンチすることで、男性の体をキャンバスに文様を描くという趣向。中庭は極寒。馬鹿すぎる。
他にも部屋に入った全員で協力して完全な静寂を作るとランプが光る装置とか、変な電話がかかってくる受信専用電話とか色々面白かったのですが、書ききれません。
見終わって、作品の評価について考えた。現代美術じゃない芸術は創るのに修練が必要である。そのため、クリエイターの力量がある程度客観的に判定できる。一方、横浜トリエンナーレに出品されている作品の何割かは、すごいひらめきさえあれば、小学生でも作れる。評価する側は自分の感性のみを頼りに作品の価値を判断しなくてはならない。極めてスリリングだ。
(06.01)
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