最近の東雲

コーラの器の違い



 先月、誕生日を迎えた。同い年の作家、山崎ナオコーラさんが、誕生日に初めて銀座の寿司屋に行ったという話を書いていたことを思い出し、会社の近くの寿司屋に向かった。店先でメニューを見る。ちらしずし1400円。私は踵を返し、隣のマクドナルドに入った。だが、誕生日なのでいつもとは違った高いものを食おうという志は持ち続けていた。私はマクドナルドに入ると、大抵「ハンバーガー(80円)+チーズバーガー(100円)+野菜生活(100円)」という280円セットを注文する。そこで今日は奮発して580円の トマトチキンフィレオセットを注文することにした。なんと普段の倍以上の価格である。私は満足して席についた。だが、その満足は長くは続かなかった。倍の値段のくせに、普段頼むセットよりたいしておいしくなかったのだ。確かにトマトチキンフィレオはチーズバーガーより美味かったが、ポテトはハンバーガーに比べるといまいちだ。何より、Mサイズの飲み物が腹に溜まってしまい難渋した。

 ナオコーラさんとは器の大きさが一回りも二回りも違うことを思い知らされた秋の夜であった。



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