最近の東雲



第6回ライトノベル・フェスティバルレポート



 2007年4月15日に行われたライトノベルフェスティバルに参加しました。
 以下簡単なレポートです。


知識なんて関係ない?勝ち残れ!ライトノベルクイズ
 有志による四人一組の五チームがクイズで戦う企画。有名人に描いてもらったへたくそな絵から何のキャラか当てるというクイズが盛り上がった。特に大森望さんのブギーとハルヒはすさまじい出来だったが、殆どの回答者が当てていたということは、割と良く特徴を掴んでいたということかも知れない。
 平和さんが参加した「狂乱家族日記チーム」が聖徳太子ゲームで抜群の耳の良さを発揮して、圧勝した。


ライトノベル06年総括お茶会(平和さん)
 平和さんがさくさくと昨年発売の注目作を紹介していく企画。ライトノベル・フェスティバルに色々な層の人が来ていることが分かった。これに参加した結果、昼飯抜きになったので、血糖値が下がってふらふらになる。


兄妹は一日にして成らず〜古橋秀之&本田透対談〜
 取っていたメモから発言をピックアップしてみる。(語句はあまり正確ではありません)

堀田純司さん(司会:以下堀):兄がいてこそ妹という構造主義と単体でも妹だという立場があるが、どちらの立場か。
古橋秀之さん(以下古):兄との関係性だ。
本田透さん(以下本):妹への思い入れが強すぎて出す前に終わってしまう。
:妹はポジティブなキャラクターなので、気持ちがポジティブだと妹が登場する。ブラックロッドもシスマゲドンも世界観は同じだ。
モデルがいるのが黒妹でイデアが白妹だ。自分には妹がいるので黒妹しか書けない。
:自分は末っ子なので小さい子の世話をしたい願望がある。キャラクターを配置していくと結果的に妹=ポジティブといった役割になる。
:白妹を書くためには『ちょこっとシスター』のように非現実的な設定にしないと駄目だ。雑破さんも妹がいないそうだ。
:黒いのを書くか白いのを書くかは半分はその時の状態で、半分は計算だ。
:宮崎アニメが妹的なものの源流ではないか。
:確かにラナやシータはイメージとしての妹だ。ムスカみたいなシータもそれはそれで良いが。
柳田国男全集九巻に「都会で疲れた兄のことを妹が癒して何が悪かろうか。」とある。
:日本はそもそも妹と兄から生まれた国だ。
:妹は幼なじみの発展形だろうか。
:確かに幼なじみブームの後に妹が来た。
幼なじみには振られても妹は一生妹だ。最近の読者はがんがん修行する展開は嫌で、スタンドパワーにようなものを好む。それと同じではないか。自分は修行シーンがあった方が好きなのだが。
:自分の理想は『帝都物語』なのだが企画が通らない。
:タツモリ家では編集さんにあなたの妹は妹じゃないと言われた。
:『臭作』は知られていないが実は最後に感動的な展開がある。
:『冬の巨人』は書いている途中でどう考えても世界が滅亡すると思った。
:後々、古橋さんはシスマゲドンが転機となったと言われるのではないか。自分はついつい黒妹を出してしまうとガーンと売り上げが落ちる。 妹から『みゆき』や『きまぐれオレンジロード』を渡されて脱オタしそこねたのに妹はオタクを毛嫌いしている。
:兄と黒妹が戦って、最後は黒妹が泣いて謝る話を書けば浄化されるのではないか。
:自分が書いているのは兄が謝るものばかりだ。

特に感心した発言を太字にしました。
終了後にお二人からサインを頂きました。有難うございました。


ライトノベル天気予報!2007!
 前半は三村美衣さんによる田口仙年堂さん、日向悠二さん、井上堅二さん、ファミ通編集の盛岡さんの四人のインタビュー。私自身えんため大賞に出すべく書いているので、編集の裏側の話が面白かった。
・数年前まで締め切りが電撃の直後だったが、日にちをずらしたら応募が増えた。
・最終選考に残ると編集者が電話してどんな本を読んだかといったことを聞く。
・担当編集は編集者に希望を聞いて編集長が決める。
・えんため大賞受賞作は必ず売らなくてはいけないのでイラストを決めるのが大変。
といった内容。
他には田口さんが演劇をやっていたが、役者に改悪されるので脚本は書きたくなくて、小説を書いたという話が興味深かった。

 後半は会場に来ていた各レーベルの人による近刊紹介。BsLog文庫から葉山透さんの恋愛小説が出るとか、GA文庫の『クレイジーカンガルーの夏』は中学生はそれほど変わらないだろうという考えで出したといった話があった。


 今回はライトノベル系サイト管理人の方々が大量に参加されていて、安眠練炭さんやいちせさんのように初めてお会いする方も多かった。特にいちせさんは憧れの方なので話しかけられて超絶舞い上がってしまった。ぎをらむさんは先々週会ったばかりなのに、『動物化するポストモダン2』に関する分析がさらに進んでいて驚いた。
 また、告知されたゲスト以外に某人気作家さんがお忍びでいらしていた。作者ご本人に作品への愛を語れて幸せでした。
 それにしても、閉会後に十三人で入った飲み屋でアルコール飲料を頼んだのが私だけだったというのは凄まじい。



トップページに戻る