最近の東雲の終焉



 小説を書くのは大変だ。あらゆる休日――うだるような暑い日も、手足のかじかむ日も、さわやかな行楽日和も、パソコンの前に座ってこつこつ、書き続け、半年から一年かけてようやく一作書きあがる。書きあがった小説を新人賞に応募するのは、暗闇に向かってボールを投げ込むようなものだ。渾身の一球を投げ込む。投げた時は、この球なら絶対通ると信じているが、待っている内にだんだん不安になり、それでも祈るように待ち続ける。他の人のボールがミットに吸い込まれる音を聞いて、ああ、また駄目だったのか、と知るのだ。投げたボールは暗闇の中に転がって、永遠に暗闇の中だ。
 小説の新人賞はどうして落ちたのかを教えてくれないので、投稿者は自分で考えるしかない。今度は打者で例えてみると、前々回、私は渾身のフルスイングをして駄目だった。前回はライン際へのセーフティーバントを試みた。やはり駄目。そこで今回は短く持って当てにいってやはり駄目だった。打者としてはもう打つ手がない。お手上げだ。新人賞には運もあるが、それにしたって一次予選すら通らないのは根本的な所で何か間違えているのではないだろうか。
 そんな時、『五代ゆう&榊一郎の小説指南』の中の言葉が目に止まった。読者のために書け。その視点が甘かったのが通らない原因ではないだろうか。
 という訳で、『最近の東雲』は今回で最終回とする。何故なら有名人でもない奴の近況など読者は求めていないだろうし、実際アクセス数が少ないからだ。東雲製作所は今まで自己満足のために運営していたが、今後は読者の利便性を重視して運営していく所存だ。何かご意見、ご要望がありましたら、「東雲閑散掲示板」か"spamyokeshinonomenod@yahoo.co.jp"からspamyokeを取ったメールアドレスまでお寄せ下さい。
 四年間のご愛読有難うございました。



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