最近の東雲



菅氏と鳩山氏来たる



 私は千葉に住んでいる。去年(2008年)の9月に民主党の菅代表代行が、地元の衆議院小選挙区候補の応援演説にやって来た。そして、つい先日、(2009年3月)今度は鳩山幹事長が、県知事選候補の応援演説にやって来た。
 両者を比較して、まず、大きく違ったのが、聴衆の数だ。菅氏の時は、選挙カーの前後両側の歩道が遠くまでぎっしり人で埋め尽くされ、後ろからでは背伸びしないと見れないほどだった。一方、鳩山氏の時は、選挙カーの向かいの歩道に二、三重の人垣が出来ているだけだった。人数で言えば、菅氏の時の1/4以下だろう。
 これには、弁士の人気の差や、開催時刻の差もあるのだろうが(菅氏は15時頃だったが、鳩山氏は10時)、やはり、小沢代表の献金問題で民主党が勢いを失っているのがまざまざと感じられた。

 二人の演説を比較すると、菅氏の方が内容は面白かった。天下り問題に切り込み、「官僚も、バブルの前までは真面目に仕事をしていた。だが、バブル時に、自分より成績が悪かった同級生が民間企業で高給を得ているのを見て、天下りポストを作るようになった。」という指摘にはなるほどと思った。
 全体的に、菅氏の演説は、絶対政権交代するぞ! と聴衆を高揚させるのが巧みだった。

 一方の鳩山氏の演説は、献金問題の弁明にかなりの部分を費やしており、勢いがなかった。だが、菅氏が、応援演説なのに、候補者のことは数十秒しか語らなかったのに対し、鳩山氏は、何故この候補者にすべきかについて色々語っていた(社長なのに毎朝会社の掃除をしていたとか、対立候補は石原慎太郎知事の言いなりで、東京のため千葉になってしまうとか)のには、好印象を持った。

 基本的に知事選というのは、その県に関する政策によって争われるものだ。だが、実際は、選挙時の国政で与野党どちらに勢いがあるかに大きく左右されており、新人同士の争いの場合、ある意味運によって決まってしまっているのはいかがなものかと思う。

(09.03)



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