そんなの関係ねぇのは何と何がか
2007年に一世を風靡したギャグに小島よしお氏の『そんなの関係ねぇ』がある。このギャグの肝は半裸の格好と激しい動きにあると思うのだが、今回は発言に注目し、解釈してみようと思う。小島氏のギャグの中心フレーズは以下の通りだ。
でもそんなの関係ねぇ。そんなの関係ねぇ。そんなの関係ねぇ。はい、オッパッピー。
ここで氏は何と何が関係ないと主張しているのだろうか。
このギャグでは前振りとして小島氏が「下手こいた」と失敗を語っていることから、自分の失敗が何かと関係ないと解釈するのが自然である。では自らの失敗が何と関係ないのだろうか。
一つ目は、「自分の失敗は自分とは関係ない」という解釈である。その場合、小島氏は責任逃れをする自分勝手なキャラクターを演じていることになる。責任逃れをすることで、オッパッピー(=Ocean Pacific Peace、太平洋の平和)が実現する、という主張だ。
一方、「自分の失敗はオッパッピーとは関係ない」と解釈することもできる。自分が失敗を犯しても、太平洋の平和は微塵も揺らぎはしない。太平洋全体から比べればささやかなことだ、というわけだ。この解釈では、小島氏は一転して謙虚で達観したキャラクターを演じていることになる。
優れた文学作品の条件として、解釈多様性を挙げる人がいる。その説に従えば、これほど短いフレーズでありながら、ほとんど正反対に近い二つの解釈ができる『そんなの関係ねぇ』ギャグは優れた文学作品であると言えよう。
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