小選挙区制とはどういう制度か



 9/11に行われた総選挙では、自民党が圧勝した。民主党は都市部を中心に雪崩的敗北を喫し「小選挙区制の怖さが出た。」と言われた。そこで、今回の選挙が現行の「小選挙区・比例代表併用制」ではなく、全国一ブロックの「比例代表制」だったら選挙結果はどうなっていたかを計算してみた。
 以下がその結果だ。
党名 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 国民新党 新党日本 新党大地
比例区得票数(全国合計) 25887798 21036425 8987620 4919187 3719522 1183073 1643506 433938 67811069
現行制度での獲得議席数(A) 296 113 31 9 7 4 1 1 462
比例代表制での獲得議席数(B) 183 149 64 35 26 8 12 3 480
A/B 1.62 0.76 0.48 0.26 0.27 0.5 0.08 0.33


 現行制度では与党が2/3以上を制し、圧勝したが、比例代表制なら、与党がかろうじて過半数だったことが分かる。
 現行制度と同じような議席配分を比例代表制で実現する制度はどういうものかというと、

1獲得票数一位の政党は獲得議席数が1.5倍になる。
2二位の政党は3/4になる。
3三位の政党は1/2になる。
4四位以下の政党は1/4になる。(国民新党と新党日本を合わせると、5/20なので丁度1/4だ)

 理不尽である。なんで素直に民意が反映されるような選挙制度にしないのか。
 小選挙区制の利点として、政権交代が起きやすいといわれているが、それは間違いだ。もし、選挙制度改革で、現行制度ではなく、比例代表制が採用されていたら、前回総選挙で比例第一党だった民主党に政権が移っていた可能性が高い。


追記1:これは2005年9月の郵政解散選挙の分析である。
追記2:以前は文末に『キーリ』という小説の名言のもじりを記していたのだが、主な読者がライトノベル読みじゃないようなので、削りました。