2011小説年間ベスト10
東雲長閑が2011年に読んだ小説のベスト10です。2011年発売作品のベスト10ではありません。去年よりさらに発表が遅くなってしまいました。この分だと、そのうち一年遅れになりそうですな。
雨の日のアイリス 松山剛 電撃文庫
『小公女』(これも傑作)を下敷きにしていると思うのだが、主人公をロボットにすることで、試練をより過酷にした工夫が巧みだ。
→雨の日のアイリス感想 (11.06/15)
ともだち同盟 森田季節 角川書店
去年読んだ中で最も完璧な小説。謎を隠すために、読者に謎を謎と思わせないというテクニックも見事。
→ともだち同盟感想 (11.08/15)
東雲侑子は短編小説をあいしている 森橋ビンゴ ファミ通文庫
恋をすると相手が見えなくなることをリアルに書いた恋愛体験小説。おたくはこういう小説を読んで恋愛耐性をつけておかないと、現実の恋愛が出来なくなるぞ。
→東雲侑子は短編小説をあいしている感想 (11.11/1)
伝説兄妹3! おかもと(仮) このライトノベルがすごい!文庫
作者とギャグや問題意識の波長が合っていて大好きな作品。特に「(ローキックで)敵の足を止めるのがアイドルの鉄則」というギャグは思い出すたび笑ってしまう。
→伝説兄妹!感想(11.04/01)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 渡航 ガガガ文庫
一人ぼっちの青春にだって価値があるという主張には頷かざるをえない。千葉市民としても応援せずにはいられない。
→やはり俺の青春ラブコメはまちがっている感想(12.01/04)
ココロコネクトヒトランダム 庵田定夏 ファミ通文庫
ハーレム状態で決断を先延ばしにしている主人公が多い中、きっぱりと決断した太一を始め、登場人物が皆、清々しい。私にはまぶしすぎる。
→ココロコネクトヒトランダム感想 (11.06/30)
ぼくは落ち着きがない 長嶋有 光文社
精読していないので迂闊なことが言えないが、『「こんにちは」も生徒同士にはあり得ない挨拶だ。』とかいう一文だけとっても鋭利なことが伝わると思う。
死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 野崎まど メディアワークス文庫
去年最も腹を抱えて笑った小説。楽しいだけじゃなく、最後にぞくっとさせられるのだが、楽しいだけの作品も読んでみたい。
六花の勇者 山形石雄 集英社スーパーダッシュ文庫
王道のファンタジーかと思わせて、本格ミステリーという構成が見事。すごい引きだが、どう続けるんだろう。
赤と黒 スタンダール著、野崎歓訳、光文社古典新訳文庫
去年読んだ古典代表として入れたのだが、内容的にはライトノベル。レナール夫人可愛いよレナール夫人。
→赤と黒感想 (11.12/15)
去年は小説の資料を沢山読んだせいで、ライトノベル以外の小説をあまり読めませんでした。今年はもっと読書の幅を広げられればと思います。
小説以外では、『白楽天 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』(下定雅弘著、角川ソフィア文庫)が面白かったです。達せるかな、達せるかな東雲長閑、とか言ってみたい。
2010年小説年間ベスト10
トップページに戻る