2009年小説年間ベスト10
随分遅くなりましたが、東雲長閑が2009年に読んだ小説のベスト10を発表します。例によって2009年発売作品のベスト10ではありません。
サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY 河野裕 角川スニーカー文庫
明快さと深さを併せ持った稀有な小説。文章がいちいち格好良い。
→サクラダリセット感想 (09.08/03)
龍盤七朝ケルベロス 古橋秀之 メディアワークス文庫
どこまでも骨太な物語。冒頭から一気に破天荒な世界に引き込まれる。
→龍盤七朝ケルベロス感想 (10.01/04)
ロウきゅーぶ! 蒼山サグ 電撃文庫
小学生達のまっすぐな想いに胸が熱くなる。去年、最も泣きそうになった小説。
→ロウきゅーぶ!感想 (08.03/16)
プールサイド小景・静物 庄野潤三 新潮文庫
『よつばと!』に通じるすごいエネルギーをかけた日常描写は、今、もっと読まれてよいと思う。
→静物感想 (09.12/02)
さよならピアノソナタ―encore pieces 杉井光 電撃文庫
三年連続ランクイン。作者の厚い音楽知識から繰り出されるエピソードがストーリーにぴたりとはまるのが気持ちよい。
斜陽 太宰治 新潮文庫
血を吐くような魂の叫びは何十年経ってもまるで古びていない。
→斜陽感想 (08.05/15)
ビスケット・フランケンシュタイン 日日日 メガミ文庫
絶望をとことん突き詰めると希望に変わるという見本。ラストがただただ圧巻。
僕は友達が少ない 平坂読 MF文庫J
僕も友達が少ないので主人公達の気持ちが良く分かる。ライトノベル界にあって作者の戦略性は際立っている。
→僕は友達が少ない感想 (09.11/02)
NO CALL NO LIFE 壁井ユカコ 角川文庫
純愛小説風の外見に騙されてヒロインに感情移入したままだと成長できないという構成が見事。
→NO CALL NO LIFE感想 (10.01/04)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない3 伏見つかさ 電撃文庫
黒猫が他人とは思えずかなり打ちのめされたが、あえて厳しいことを言う作者の誠実さに心うたれた。
他にも、文学少女見習いの初恋、ボトルネック→ボトルネック感想、有頂天家族→有頂天家族感想 (08.04/30)
、鉄球王エミリーなどが面白かった。
また、みみっく!収録のウタカイには打ちのめされた。MF文庫Jでもこういうのを書いて欲しいのだが、売れないのかなあ。
2008年小説年間ベスト10
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