2008年小説年間ベスト10
東雲長閑が2008年に読んだ小説のベスト10です。例によって2008年発売作品のベスト10ではありません。
"文学少女"と神に臨む作家 野村美月 ファミ通文庫
→”文学少女”と神に臨む作家感想 (08.09/16)
→”文学少女”と神に臨む作家感想2 (08.10/15)
読み返す度に発見がある、折り重なったパイみたいな作品。世の中には恋愛以外にも様々な素敵な関係があるのだと気づかされた。読者の覚悟が試される厳しい小説でもある。
ベン・トー2 ザンギ弁当295円 アサウラ スーパーダッシュ文庫
→ベン・トー感想 (08.04/03)
→ベン・トー2感想 (08.08/15)
シリアスなバトルなのにおかしくて、ギャグなのに感動的な、剛速球のカーブみたいな小説。読むと弁当が食べたくなる。
嵐が丘 エミリー・ブロンデ作/河島弘美訳 岩波文庫
→嵐が丘感想 (08.04/16)
『つよきす』もびっくりのツンデレバトルロイヤル小説。ヒースクリフとキャサリンの愛憎ばかり取り上げられることが多いけれど、エドガーとキャサリンの愛も等価なものとして描かれているように思うのですよ。
さよならピアノソナタ4 杉井光 電撃文庫
次々出版された新作がどれも傑作なのだが、代表してこれを。音楽の世界の豊かさを味わえる。
参考:→ばけらの!感想 (08.10/01)
とある飛空士への追憶 犬村小六 森沢晴行 ガガガ文庫
読むとアドレナリンが迸る壮絶なバトルシーンともどかしくせつない恋のコントラストが鮮やかだ。二人で飛んだ空と海の青さが心に残る。
AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜 田中ロミオ ガガガ文庫
→AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜感想 (08.08/15)
学園+異能の力というライトノベルの基本フォーマットを裏返して見せた設定が見事。読むと現実もそんなに悪くはないと思える。
ダブルブリッドX 中村恵里加 電撃文庫
これは、愛という醜くてどろどろしていて、凶暴な感情が、それでも最後は幸せを運んでくれますように、という一つの大きな祈りのような小説だったように思う。最後のシーンの優さんの絵が本当にきれいで素晴らしい。本当にお疲れ様でした。
容疑者Xの献身 東野圭吾 文春文庫
→容疑者Xの献身感想 (08.10/15)
犬はどこだ 米澤穂信 創元推理文庫
→犬はどこだ感想(08.04/03)
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート 森田季節 MF文庫J
→ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート感想 (08.11/04)
他にも『四畳半神話大系』(森見登美彦、角川文庫)、『銀色ふわり』(有沢まみず、電撃文庫)、『蒲公英草紙 常野物語』(恩田陸、集英社文庫)などが面白かった。特に『銀色ふわり』の素晴らしい設定はもっと評価されても良いと思う。
最近読書量が落ちてきたせいで、ライトノベル以外をあんまし読めませんでした。今年は、もっと変てこなのも読みたいと思います。
ちなみにノンフィクションでは
空と無我 仏教の言語観 定方晟 講談社現代新書
が衝撃でした→空と無我感想 (08.05/15)
。現時点での座右の書です。
2007年小説年間ベスト10
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